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こころとこいしの口裂け遊戯


「ねー。わたしキレイ?」
 深夜の人里で、秦こころは抑揚のない声を発した。
 口を三日月型に引っ張りながら、目の前に存在する少女の反応を待つ。
「知ってる! それって最近話題の口裂け女ってやつでしょ!」
 眠りについた里の人間が飛び起きてきそうな勢いで古明地こいしは答えた。
「そうなんだけど、こいしちゃんわたしの質問に答えてよ」 
「わたしよりずっとかわいいよ!」
「そんなこと訊いてないのに……」
「うちのペットよりもかわいいよ!」
「ペットよりかわいくても自慢にならないし……」
「それに、さとりお姉ちゃんよりもかわいいよ!」
「そんな人知らないし……」
 この問答が続いてどれくらい経ったであろうか。
 なかなか思うようにはいかないものだとこころはお面の表情を変化させる。
 噂で聞いた最近話題の都市伝説によると、こう質問すれば皆決まって「キレイだ」と答えてくれるらしい。
 せっかくだから実行してみたいと偶然出会ったこいしに試してみたら、これがまた上手く進まない。
「もしかして、わたしキレイじゃないのかも」
 だから都市伝説通りに行かないのか、それならば仕方ないとこころはお面を表情を湿らせる。
 面として作られた時はキレイな面だとよく褒められることがあった。
 あの頃が懐かしい。
 もしもキレイだとこいしに言ってもらえたららどんな感情になるだとうかと、こころは暗い夜空を見つめる。
「そんなこと口が裂けても言っちゃだめだよ!」
「……え?」
 急にこいしに手を掴まれる。
 触れる肌からこいしの暖かい体温が感じられる。
 視線を元に戻すと、こいしの顔がやけに近い。
 近すぎて少しドキドキするのをこころは感じた。
「こころちゃんはキレイなんだから、そんなこと気にしなくて良いんだよ!」
「……わたし、本当にキレイなの?」
「少なくともわたしはこころちゃんのことキレイだと思うし、そんなこころちゃんが大好きだよ!」
「別にそこまで訊いてないし……」
 頭が一気に熱くなっていくのをこころは意識する。
 同時に、感情を表す面が変化した。
「あっ! そんな嬉しそうなお面もあったんだ。てことはこころちゃん、今何かすっごく嬉しいことでもあったの?」
「……訊かないで」
 こころの顔が紅く染まっていた。
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東方SS合同誌を作成してます。
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