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『添い寝 だいちる 難易度 -Normal-』


 湖のほとりに雪を固めたかまくらのような家があった。
 その家の中で、緑の髪をした愛らしい妖精がぱたぱたと動き回っていた。
「もう、チルノちゃん。ちゃんと片付けないとダメだよ」
 彼女は名前がなく、大妖精と呼ばれている少女だ。
「こんなに散らかして、もぉっ……」
 と言いながらどこか嬉しそうに氷漬けのカエルやら底の空いたバケツを片付けていく。
「聞いてるの? チルノちゃん、わたし怒ってるんだからね」
 ぷんぷん、とひらがなの擬音がつきそうな様子で頬をふくらませた。
「え? そんなに頷いて。って、ちゃんと片付けてくれるの? チルノちゃん、偉いね」
 そう言って大妖精は小さな手のひらで、頭をなでなでと擦ってくれる。
「うん、うんうん。そうだね。氷漬けのカエルはここで、それはこっちなの?」
 言うとおりに大妖精が物を片付けていく。
「って、チルノちゃん? チルノちゃん!?」
 ふらふらとよろめいて床に倒れたチルノに、大妖精はしがみつく。
「えっ……。考えすぎたから、頭が痛い?」
 大妖精の言葉にチルノが頷いて見せると、大妖精はふふ、と笑った。
「もうっ。大丈夫? ちょっと、寝よっか?」
 こくりと首を縦に振る。
 大妖精は意を決したように真剣な表情になって口を開いた。
「……し、心配だから、私が添い寝するね。チルノちゃん」
 チルノは気恥ずかしくて、両手で押しとどめるポーズをとった。
「チルノちゃん。お顔、真っ赤だよ? 恥ずかしいの、かな?」
 頭を使ったせいか身体に力が入らない。妖精の中では強大な力を持っているはずなのに、大妖精に肩を押されただけで、とすん――と押し倒されてしまう。
 心臓が大きく跳ねた。
 大妖精のほんのりと膨らんだ胸がチルノの薄い胸に押し付けられる。
「え? 胸が、あたってる……?」
 大妖精は恥ずかしそうに頬を赤く染めてから、ぎゅっ。
「恥ずかしいね。チルノちゃん。恥ずかしいから、もっとぎゅってしちゃう、ね?」
 氷の妖精だというのに、自分の恥ずかしさの熱で溶けてしまいそうだ。
「チルノちゃん、ひんやりして気持ちいい……」
 大妖精が赤くなった頬をチルノの頬にくっつけた。すり、すりすり。あつい、あつい、あつい。
 でもそれは大妖精の温かさなのか、恥ずかしいからなのか、さっぱりわからない。
「ねえ、チルノちゃん。ちゅーとか、してみる?」
 チルノが驚いてみせると大妖精は慌てたように言った。
「じょ、冗談。冗談だよ、チルノちゃん。だってわたしたち、お友達同士だし――」
 断られたと思ったのか、大妖精は悲しげに眉尻を下げた。まなじりに涙がたまっているようにすら思える。
 もしかしたら大妖精は勇気を出して言ってくれたのかもしれない。
「って、ち、チルノちゃ、ん? ん、ん、んむぅ……はぅ……む……」
 狭いかまくらのなかに、水の跳ねるような音が響く。
「ち、チルノちゃん。なんで……? だ、だいちゃんが勇気を出して言ってくれたから、って?」
 大妖精は「うう」と真っ赤になった顔を手で隠した。
「ね、その、チルノちゃん……。もういっかい、だめ?」
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